2020年02月07日オープン研修
世界的なメガトレンドになって早数年、モノのインターネット「IoT」や、人工知能「AI」が、だんだん身近で語られるようになってきたと思いませんか?そんな中、モノの処理性能を高める方法として、エッジで高度な処理を行う技術が注目を集めています。モノから抽出したデータを、AIを用いて直接モノの上で判定処理を行い、その結果をモノの動作にリアルタイムに反映する仕組みです。特にディープラーニングなどの処理を行うエッジ装置を「AIエッジ」と呼びます。例えば、一瞬一瞬の即時判断が何よりも求められる、車の自動運転には必須の技術です。
2020年3月、当社はAIエッジに関する新コース「NVIDIA Jetson Nanoを用いたAIエッジコンピューティングハンズオン -ディープラーニング×JetBotによる自動走行体験-」を開講します。「AIに学習をさせ、AIを搭載したモノ(デバイス)をセッティングし、その場で動かし、デバイスから新たに抽出したデータをもとにさらなる学習をさせAIの処理性能を高めて」いく、その一連の流れを学びます。
1月23日、エッジ機器に関し豊富な提案・導入実績を持つ株式会社マクニカ様のご協力のもと、3月の開講に備えて「NVIDIA Jetson Nanoを用いたAIエッジコンピューティングハンズオン -ディープラーニング×JetBotによる自動走行体験-」コースの社内トライアルを実施しました。コースで使用するデバイスは、AIによる自律走行車「JetBot」。NVIDIA Corporationが開発した小型エッジ機器「JetsonNano」を搭載し、カメラで撮影した画像をもとに動作を自動制御できる、車型の小型機器です。
AIエッジ全体への理解を深めるために、機器は自分で組み立てます。ドライバーやレンチを使って部品と格闘!
JetBotには、「目」となるカメラと、画像を識別するためのGPU、NVIDIA Corporationの「Jetson Nano」を搭載し、完成です。
完成したJetBotを研修室内で実走。カメラで認識した画像をもとに自動で方向を変えられるよう、基本的な学習モデルをJetson Nanoにあらかじめセットアップ済み。そのため自動で走ることには走るのですが、なんだかヨロヨロ...。
スムーズに走行しないのは、タイヤの歪みであったり、重心のずれといった物理的な理由や、照明の明るさや、背景情報が学習時の元のデータとは異なるというソフトウェア的な理由があるためです。そこで必要なのが、想定と現実のギャップを埋めるための、最終利用環境で得たデータをもとにしたさらなる学習(推論)なわけです。
いったんJetBotを引き上げ、環境に適した新しいデータを加えて新しい学習モデルを作成し、再び動作させデータを収集しながら精度を高めていく...これを繰り返していきます。
これまでのAIは、データの蓄積、処理判定をすべてクラウド上で実行する方法が一般的でした。クラウドとデバイス間のデータのやり取りには、ネットワーク通信が必要です。しかしながらコンマ数秒の遅延が大事故につながる車の自動運転にとって、通信負荷は命取り。よって、デバイスが収集したデータをデバイス上で判定処理し、即時に動作に反映できるAIエッジは、現場における「AI活用」の鍵を握る、とも言われています。
一方で、現実世界で正しく安全にモノを動かす、というのはなかなか想定通りにはいかない難しさも。例えば車であれば、道路の幅は決して均一ではなく、車体も多少の個体差があり、走行中に飛び出してくる動物もいるかもしれない、それが現実の世界です。その難しさにより、実証実験は行ったものの現実の壁にぶつかり実用に至らない、というケースが散見されるのもまた事実。まだまだ厳しく、だからこそ大きなチャンスがある分野ともいえるでしょう。
私自身がディープラーニングを勉強していてうまれた、「学習したモデルを現場で動かすのはどうやるのだろう?」という疑問から始まり、本研修を立ち上げました。同じような疑問を持っている方、世の中で行われていることを実感したい方、何か面白いことをやってみたいという方はぜひ本研修にお申し込みください。「こんなことまでできるんだ!」という驚きや「こんな課題があるんだな・・・」といったさまざまな出会いがあると思います!
研修の詳細、お申し込みはこちらから!
開催日程(2日間) 2020年3月5日~6日 東京(大森)
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